花豆は、インゲン属の中の「べにばないんげん」のことを言います。「いんげんまめ」とは別種ですが、主産地の北海道では、蔓性で支柱が必要など栽培方法が似ている大福豆や虎豆とともに「高級菜豆」と総称されています。鮮赤色又は白色の大きな花をたくさん咲かせるのが特徴で、それが名の由来ともなっています。赤花の子実は紫の地に黒色の斑が入っていて紫花豆と呼ばれ、白花のものは子実も白色をしているところから白花豆と呼ばれます。豆粒は際立って大きく、煮豆、甘納豆の原料になります。
花豆の種子が日本に伝わったのは、江戸時代の末期ですが、花が大きくきれいなため、当時はもっぱら観賞用に栽培されていました。食用としての栽培は明治時代になってから札幌農学校で始められ、本格的な栽培は大正時代に入ってからです。低温を好み、温暖地では花が咲いても結実しないため、現在は、主として北海道でつくられ、一部、東北地方や長野県、群馬県などの冷涼な地域でも栽培されています。
なお、花豆は、英語では“Runner bean”、“Flower bean”などされ、また、中国語では白花豆を「白花芸豆」、紫花豆を「黒花芸豆」などと表記します。このことから、国産の白系は白花豆、海外産は大白芸豆、黒ほ国産が紫花豆、海外産は大黒芸豆と呼ばれ、白は、中国産の他、ポーランド産も少量ですが流通しています。
公益財団法人 日本豆類協会 HP より抜粋