えんどうは、古くから人類と関わりの深い豆類の一つで、起源はメソポタミアと考えられています。我が国には、中国を経由し、遣唐使(けんとうし)によって9~10世紀頃にもたらされたといわれています。英語では、えんどうのような丸い豆は"bean"ではなく"pea"と総称され、単に"pea"といった場合は、えんどうのことを意味します。
我が国における本格的な栽培は明治に入ってからで、いろいろな品種が欧米各国から導入され、全国各地で生産が始まりました。えんどうの利用法は非常に多様で、完熟種子を乾燥豆として使う以外に、未熟の莢を食べる「さやえんどう」、完熟前の軟らかい豆を莢からむいて食べる「グリーンピース」、グリーンピース大まで育った未熟の豆を莢ごと食べる「スナップエンドウ」、さらに新芽を摘んで食べる「豆苗(とうみょう)」がありますが、これらは野菜として扱われています。乾燥豆として使用される子実用えんどうは、主に北海道で、明治の後半からヨーロッパへの輸出用として多く栽培され、昭和初期には3万haになりました。現在は北海道の上川地方を中心にわずか数百haの栽培となっています。現在の乾燥豆の大半は輸入品で、カナダ、イギリス、ニュージーランドなどから輸入されています。
乾燥豆には、子実の色が緑色の青えんどうと、赤褐色の赤えんどうがあります。青えんどうは煮豆、甘納豆、うぐいす餡、炒り豆、フライビーンズなどの原料になり、最近ではスナック菓子等の原料としても利用されています。一方、赤えんどうは、古くから蜜豆(みつまめ)や豆大福(まめだいふく)に使われ、和菓子の落雁(らくがん)用としても重要です。なお、海外には、子実色が黄色の白えんどうや、灰褐色地に濃色の斑点が入ったウィンターピーなどがあります。
公益財団法人 日本豆類協会 HP より抜粋